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JA 

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2010年代から2020年代へと変わり、過去の10年を振り返り次の10年を見通す良い機会だと思います。

2010年、業界は大きな不安に満ちていました。 経済は2008年の金融危機から回復の途中にあり、欧州の保険会社はソルベンシーIIに備えていました。 テクノロジーの観点では、主な課題は、保険代理店向けAPIおよびサービス指向アーキテクチャ(SOA)を含むWebサービスなど旧式のソリューションの交換といった複数年にわたるコアイニシアチブに関するものでした。 当時は「InsurTech」という用語もまだ存在していませんでした。

2010年代に登場し、業界に革命をもたらしたテクノロジートレンドのいくつかは、ビッグデータ、Hadoop、クラウドコンピューティング、Internet of Things(IoT)、そして最後にInsurTechが登場しました。 もちろん、失敗に終わったテクノロジーもいくつかあります。 Google Glassが請求プロセスを変革させると言われていた頃を覚えていますか? しかし、私が2010年代を一言で要約するとすれば、「データの10年」であったと言えるでしょう。

さて、新しい10年の始まりに立ち、私は「インテリジェンスの10年」になると思っています。過去10年間で、保険会社と接続されたIoTデバイスの両方で生成されるデータが急激に増加しました。 しかし、これまで、このデータを大規模かつ効果的に分析してビジネスへの価値を引き出せるような成熟したテクノロジーは存在していませんでした。

今日では、量子コンピューターや、高度な画像演算処理(GPU)、人工知能(AI)および機械学習の活用によって、保険会社は利用可能な膨大な量のデータから深く実用的な洞察を極めて迅速に得ることができます。 こうした活用の機会は無限であり、保険契約におけるライフサイクル全体に広げることが可能です。 たとえば、生命保険会社はAIと顔分析を活用することによって、被保険者の自撮り写真からリスクスコアを即座に計算しています。 自動車保険会社は、スマートフォンの写真から損傷を検証し、修理費用を査定できます。 また、損害保険会社は、衛星画像分析を通じて既存の損害と新しい損害を簡単に検証することができるのです。

未来を確実に予測することは不可能ですが、不確実性の緩和に基づいている保険業界では、見通しはある程度予測可能であると考えられます。 保険会社の幹部は、10年後も保険料収入、損失率、顧客維持率、規制強化などについて心配しているであろうと確信しています。 しかしながら、私はお気に入りのビル・ゲイツによる言葉を思い出します。「多くの人々は1年間で実現可能なことを大きく見込みすぎて、10年間で実現可能なことを少なく見込んでしまうのです。」

個人的には、今後10年間で保険業界がどのように変化するのかが楽しみです。

シフトテクノロジーではすでに、保険業界を変革する鍵となるAIについての資料を紹介しています。